「偶然に発生する事故(保険事故)によって生じる財産上の損失に備えて、多数の者が金銭(保険料)を出し合い、その資金によって事故が発生した者に金銭(保険金)を給付するための制度」とウィキペディアに載っています。
つまり、保険は社会保障と同様に互助の精神が根底にあります。「万人は一人のために、一人は万人のために」という言葉もあるとおり、相互扶助の精神が保険の根本であり、社会的役割であると言えます。
保険なんか要らない。自分の貯蓄で賄うから要らない、というお考えの方もいると思います。しかし、その保障範囲は貯蓄額の範囲内です。保険は多くの方々が保険料を出し合ってお互いに補完し合います。だから、万が一の事態に相応する補償額を補えるシステムと言えます。
- 保険の仕組み
みんなで支え合う精神の保険は、大勢の保険契約者が保険料を負担し、それを財源として、誰かが死亡したときや病気になったときに、保険金や給付金を受け取ることができる「助け合い」「相互扶助」の仕組みによって成り立っています。
保険料の決め方
では、保険料はどのように決まるのでしょうか?
生命保険の収支においては、集めた保険料(収入)と支払った保険金(支出)が等しくなることが基本で、計算式では「保険金 × 死亡者数 = 保険料 × 契約者数」となります。
しかし、年齢、性別なとでその死亡率は異なってきます。お年寄りより若い人のほうが受給機会は減ってしまう傾向にありますし、男性より女性のほうが長生きであることもあります。そこで生命保険会社では、死亡率を年齢別・男女別に計算した「生命表」をもとに、被保険者ごとの保険料が公平になるよう算出しています。つまり、リスクの高さに応じて保険料を算出することで保険契約者の負担は公平となります。
- 大数の法則
しかし、それだけで公平性が保てるか素人的には疑問が残ってしまいますね。そこでこんな法則を使っています。それは「大数の法則」です。細かい内容は端折りますが、「大数の法則」とは「たくさん実験すればデータの平均は真の平均に近づく」ということです。
少ないサンプルでは法則が分からなくても、たくさんのサンプルを集めることで一定の法則が判明する。これが「大数の法則」と言われるものです。これは人の死亡率についても適用できるため、多くの人のデータを集めることで、死亡率を年齢別・男女別などにまとめた「生命表」を作成し、活用しています。
保険の歴史
保険の制度はある日突然現れた制度ではありません。年代的には2~300年前から始まったようです。これは日本が発祥ではなく、当時、地球上で最も力を持っていたイギリス(大英帝国)。同業者間で病気になったり、亡くなったりしたときに、お互いにお金を少しずつ出し、プールすることで「イザ」という時に困らないよう備えたことが始まりだということです。「ギルド」という言葉、高校の歴史で習ったような記憶があります。業種別に互助会のような組織をつくっていたようです。
昔よく耳にした言葉で「無尽」、「頼母子講」・・・「互助の精神」は日本独自のものだとばかり思っていましたが、西洋にも同様な精神があったことは意外でもありましたが、その精神が保険の源だということです。
保険の種類
保険にはいろいろな種類があります。「生命保険」、「火災保険」、「損害保険」、大別すると、この3つ。
こんな分け方をすると保険会社さんからはお叱りを受けるかもしれませんが、消費者側から見ると「生き死にの時」、「家が火事になった時」、「事故・災害に遭った(犯した)時」に頭をよぎるのが「保険、入っていたかな?」というフレーズではありませんか? そして、一番身近なのが、この3つであり、人生において必要不可欠のものが、この3つということになります。
とはいうものの業法的にといいますか、系統別に正確に分ける必要がありますので、せっかくですので、ここに記しておきます。
大別すると損害保険と生命保険の2つに分かれます。
1)損害保険⇒⇒①自賠責保険②自動車保険③火災保険④地震保険⑤傷害保険⑥医療・介護保険⑦個人賠償責任保険⑧自然災害保険⑨ペット保険
2)生命保険
なぜ2つしかないのとお思いでしょうが、それぞれの保険には、その母体になる組織があり、損害保険協会https://www.sonpo.or.jp/index.htmlと生命保険協会https://www.seiho.or.jp/about/の組織に分かれているからです。
特に私たち消費者にとっては保険金請求の段階でいろいろな困り事、トラブル等が発生しないとも限りません。そういう場合には、一保険の私企業より、消費者と保険業界との中間に立って物を見ていただける組織ですので、困ったときには、このどちらかの門を叩く方法もあることを頭の隅においておいてください。
ちなみに、保険会社さんは全部で58社ぐらいあるようで、私の想像よりかなり多いのでびっくり。選ぶ私たちは迷うばかりです。
